夢じいの全力チャレンジ録 ~高校陸上部時代編 第二話~

第二話:最後の一歩が踏み出せないあなたへ

スタートラインに立ったとき、何を感じるでしょうか。

私が高校生の頃、陸上の大会で一番怖かったのは、ピストルの音ではありませんでした。
むしろ、スタートラインに立つまでの数分間。
アップを終え、呼び出しがあり、ゼッケンを確認され、名前を呼ばれて、いよいよ自分のレーンに立たされる。


他の選手たちは無言で集中していて、空気がぴんと張り詰めています。

「緊張していないふり」をしながら、実は足が震えていたこともあります。
隣の選手がやけに速そうに見えたり、自分だけ場違いなんじゃないかと感じたり。


そんな不安と闘いながら、最後の一歩、つまり「スタート位置にしゃがみ込む瞬間」が、実は一番しんどかったのです。

この「最後の一歩」。
それは、日常生活の中でもよく訪れます。

たとえば新しい趣味を始めようとする時。
仕事を辞めて第二の人生を歩こうとする時。
誰かに「ありがとう」や「ごめんね」を伝えようとする時。
どれも、やると決めているのに、なかなかその一歩が出ない。

でも、夢じいは思うのです。

一歩を踏み出す勇気は、生まれつき持っている人だけの特権ではありません。
それは「何度も震えながらでも一歩を出してきた経験」が、少しずつ心の中に残っていくものだと思っています。

私も今では、「また走ってみようかな」と思えるようになりました。
別に競技に出るわけではありません。ちょっとウォーキングをしたり、公園でストレッチをしたり。

それだけでも、最初の一歩が大きく感じるのです。

かつての私は、400メートルのレースの直前に、よくこう思っていました。

「もうイヤだなあ。逃げたいなあ。でも、逃げたら自分がイヤになる」

だから、スタートラインに立つのです。
ビリになってもいい。途中で倒れてもいい。
ただ、逃げないで、自分の足でスタートを切る。

それは、誰のためでもなく、自分の心のためでした。

最後の一歩が踏み出せないとき、思い出してみてください。
その一歩の先には、必ず「何か」が待っています。

それは結果かもしれませんし、達成感かもしれません。
もしかしたら「なんだ、できるじゃないか」という小さな自信かもしれません。

そして、それはあなた自身だけが得られる「ごほうび」です。

夢じいは、これからも震えながら、笑いながら、踏み出していきたいと思っています。
一緒に、一歩ずつ進んでいきませんか?

夢じいの一言:

今日の一歩は、小さくたっていいんです。大事なのは「しゃがんだ」先に進む道がある」と信じることですよ。

Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です